以前、Homelabの構成について書いていました。なかなかHomelabのvSphere環境のアップグレードが出来ずにいましたが、vSphere8.0のUpdateも上がってきたこともありアップグレードについて書いてみようと思います。
構成
- vCenter 7.0U3→vCenter 8.0U2
- ESXi 7.0U3→ESXi 8.0U2
- USB Network Native Driver for ESXi v1.10→v1.13
- Intel NUC NUC7i3BNH
- Intel(R) Core(TM) i3-7100U CPU @ 2.40GHz
vCenterアップグレード
お手軽にアップグレードするために、WindowsのGUI版のインストーラーでアップグレードを行いました。
- インストーラーを起動して、Upgradeを選択します。
- アップグレード対象の必要なパラメーターを入力していきます。
- deployment sizeはhomelab用なので、Tinyを選択します。
- 入力後、Finishボタンを押すと、Upgrade - Stage 1: Deploy vCenter Serverのポップアップが表示され、VCSAのVMのデプロイが開始されます。
- デプロイ後、Step2を選択して、Nextをクリックします。
- Pre-upgradeのチェックが行われ、いくつか注意事項が表示されます。
- upgrade dataを選択します。homelabなので、タスクやイベントやパフォーマンスデータは移行せず、最低限のデータだけ移行します。
- Step2が完了すると、アップグレードが完了します。
- vSphere Clinetにログインし、アップグレードが完了したことを確認します。
ESXiアップグレード(workload側)
workload側は、vCenterで管理されたESXiで、vCenter VMは稼働していないホストになります。Lifecycle Managerを使ってアップグレードを行ってみました。
ESXiのアップグレードを行う前に、Nested ESXiで素振りを行ってみます。
- Nested ESXiをデプロイし、物理ESXiとは別のクラスタを用意し、そのクラスタに配置します。
- Nested ESXi用のクラスタで、イメージの管理を行い、ESXi 8.0U2をクラスタのイメージとして設定します。
- すべて修正をクリックし、修正の開始をクリックし、アップグレードを開始します。
- 自動的にメンテナンスモードに切り替え、アップグレードが行われます。
- イメージ プロファイルは、(Updated) VMware Lifecycle Manager Generated Imageと表示されるようになっていました。
Product Interoperability Matrixを確認すると、vCenter 8.0U2ではESXi 8.0U3をサポートしていないため、同じマイナーマージョンを指定しました。
- Product Interoperability Matrixを確認すると、vCenter 7.0U2ではESXi 7.0U3のサポートはありになっていましたが、vSphere 8から変更になったように見えます。
- Frequently Asked Questions about vSphere Releases | VMware
USB NICを利用しているため、FlingsのUSB Network Native Driver for ESXiのドライバを追加します。
以前だと、PowerCLIを使ってイメージを作成していましたが、UIでも同様の操作ができそうなので、試してみました。
- VMware USB NIC Fling Driver for ESXi v1.13のバンドルイメージを入手しておきます。
- Lifecycle Managerの画面で、アクション>更新のインポートをクリックし、USB Network Native Driver for ESXiのバンドルイメージを指定します。
- Nested ESXi用のクラスタで、イメージの編集で、コンポーネントの追加で、VMware USB NIC Fling Driverを確認し、バージョンを指定して保存します。
- すべて修正をクリックし、修正の開始をクリックし、アップグレードを開始します。
- 自動的にメンテナンスモードに切り替え、アップグレードが行われます。
- アップデート後のパッケージを確認すると、以下のようなバージョンとなっていました。
名前 | 説明 | バージョン |
---|---|---|
vmkusb | USB Native Driver for VMware | 0.1-18vmw.802.0.0.22380479 |
vmkusb-nic-fling | USB Native Driver Fling for VMware ESXi | 1.12-2vmw.802.0.0.67561870 |
物理ESXiで上記と同様にアップグレードを実施し、うまくアップグレードすることができました。
ESXiアップグレード(management側)
management側は、vCenter VMが稼働しており、homelabのため、vMotionで他のホストにvCenter VMを移行できない状態となっています。
そこで、CLIによるアップグレードを実施します。
workload側とイメージを合わせるため、workload側のLifecycle Managerからバンドルイメージをダウンロードしておきます。
- イメージ>エクスポートをクリックし、zipを選択し、バンドルイメージをダウンロードします。
- management側のESXiのデータストアを選択し、データストアブラウザからデータストアへバンドルイメージをアップロードします。
- まずは、dry-runを実行して、アップグレードか可能か確認すると、以下のようなエラーが表示されます。
esxcli software sources profile list -d /vmfs/volumes/datastore1/ISO/OFFLINE_BUNDLE_52e37739-9a0d-8d0f-1525-cd1365a880be.zip Name Vendor Acceptance Level Creation Time Modification Time ---------------------------------------- ------------ ---------------- ------------------- ----------------- VMware Lifecycle Manager Generated Image VMware, Inc. PartnerSupported 2024-08-15T20:43:12 2024-08-15T20:43:12
esxcli software profile update -d /vmfs/volumes/datastore1/ISO/OFFLINE_BUNDLE_52e37739-9a0d-8d0f-1525-cd1365a880be.zip -p "VMware Lifecycle Mana ger Generated Image" --dry-run [ProfileValidationError] File path of '/lib64/python3.8/unittest/loader.pyc' is claimed by multiple non-overlay VIBs: {'VMware_bootbank_esxio-base_8.0.2-0.40.23825572', 'VMware_bootbank_esx-base_8.0.2-0.40.23825572'}
VMware docsにアップグレードする際に、dry-runが動作しないという記載がありました。
dry-runでの確認はできないですが、直接CLIでESXiのアップグレードを行っていきます。
- vCenter VMを停止します。
- ESXiをメンテナンスモードに変更します。
- 以下のコマンドを実行します。vLCMでのアップグレードはprofile update相当なようなので合わせておきます。
esxcli software profile update -d /vmfs/volumes/datastore1/ISO/OFFLINE_BUNDLE_52e37739-9a0d-8d0f-1525-cd1365a880be.zip -p "VMware Lifecycle Mana ger Generated Image" Installation Result Message: The update completed successfully, but the system needs to be rebooted for the changes to be effective. Reboot Required: true
- ESXiを再起動します。
vSphere Clientにログインし、ESXiのバージョンが8.0に変更されていることを確認します。
vDSアップグレード
vDSを7.0.3から8.0.0にアップグレードします。
- vDSのアクションをクリックして、アップグレード>Distributed Switch のアップグレードをクリックします。
- 8.0.0 - ESXi 8.0 以降を選択し、互換性に問題をないことを確認し、OKをクリックします。
- vDSのバージョンが8.0.0に変更していることを確認ます。
まとめ
vSphere 7.0までだと、PowerCLIを使って、インストールイメージをビルドして、USBメモリにブートメディアを用意していましたが、vSphere 8.0ではほぼGUIの操作のみでアップグレードができるようになっており、homelabのアップグレードがとても楽になっていました。