前回は、Veeam Backup & Replication Community Editionという無償のバックアップソフトウェアのセットあぷを試してみました。今回は、Veeam Backup & Replication Community Editionのバックアップとリストアについて書いてみようと思います。
構成
- vCenter 7.0 U3
- ESXi 7.0 Update 3
- Windows Server 2019
- Veeam Backup & Replication Community Edition 11.0.1.1261
バックアップの種類
バックアップには、3つの方法がとれるようです。
永久増分バックアップは、復元ポイントのポリシーを過ぎた際に、フルバックアップに期限を過ぎた増分バックアップがマージされる動作となります。フルバックアップと増分バックアップがマージされるため、バックアップストレージに追加のIO負荷がかかるようです。
増分バックアップは、復元ポイントのポリシーを過ぎた際に、すぐには削除されずに、フルバックアップとチェーン内の増分バックアップがポリシーを満たした場合に、古いフルバックアップと増分バックアップを削除する動作となるようです。永久増分バックアップと違って、フルバックアップと増分バックアップがマージすることはないため、バックアップストレージに対するIO影響は最も数なくなるようですが、シンセティックフルバックアップの取得の際にはバックアップストレージの影響が増え、アクティブフルバックアップの取得の際には運用ストレージへの影響が増加するようです。
バックアップジョブの作成
仮想マシンのバックアップの設定を作成していきます。
- Veeam Backup & Replication Consoleからコンソール画面にログインします。
- Homeをクリックし、Jobs>Backupを右クリックし、Backupをクリックし、Virtual machineをクリックします。
- Nameにバックアップジョブの名前を入力し、Nextをクリックします。
- Virtual Machinesにて、Addをクリックし、バックアップ対象の仮想マシンをクリックします。
- 仮想マシンが一覧に追加されたことを確認し、Nextをクリックします。
- Backup proxyはAutomatic selectionとデフォルトで入っているため、そのままとしておきます。
- Backup repositoryは前回作成したBackup repositoryを指定します。
- Retention policyは保持する復元ポイントの数を定義しており、デフォルトだと7日間となっていました。
- 日数だけではなく、復元ポイント数でも定義することができそうです。
- Advancedをクリックすると、バックアップの詳細設定を行うことができます。
- Nextをクリックします。
- Guest Processingは、アプリケーションを認識したバックアップジョブの作成のオプションとなりますが、今回はデフォルトのままにして、Nextをクリックします。
- Scheduleに、ジョブの実行時間を指定できますが、今回はデフォルトのままにして、Applyを実行します。
- 設定を確認し、Finishをクリックします。
- Jobs>Backupにバックアップジョブが作成できたことを確認します。
バックアップの実行
- バックアップジョブが作成できたため、右クリックをしてStartをクリックします。
- Last 24 HoursにRunningとジョブが表示されます。
- Actionに、VMのディスクサイズのチェックや、changed block trackingの有効などタスクが実行されていることが確認できます。
- 4.4GBのディスクのバックアップを取得してみましたが、Readは4.4GB、Transferredは2.2GBとなっており、バックアップデータが圧縮して保存されていることが分かります。
- スループットのピークとしては、Readは83MB/s、Transferredは47MB/s程度出ていました。
- 処理時間は2分程度で完了しました。
リストアの種類
VM全体をリストアする方法として、2つの方法がとれるようです。
- 元の場所に復元する
- 新しい場所に復元するか、別の設定で復元する
リストアの実行
- Homeをクリックし、Backups>Diskをクリックし、バックアップジョブを展開し取得したバックアップの一覧を表示します。
- 対象のバックアップをクリックし、Entire VMボタンをクリックします。
- リストアモードで、
Restore to the original location
を選択し、Nextをクリックします。 - Reasonで、Nestをクリックします。
- リストア対象のVMが電源が入っている場合は、電源オフをしておきます。
- 既存VMを削除するとポップアップが表示されるため、OKをクリックします。
- Summaryでリストアの情報が表示されるため、Finishをクリックします。
- Restoreing VMというウインドウが表示され、Logに処理中のタスクが表示されます。
- 1分30秒程度でリストアが完了しました。
- ログを見ると、4.4GBのディスクのリストアに628MB/s程度出ていたようです。
- 電源はオフ状態でリストアされるため、電源を入れ起動するか確認します。
試してみて
Veeam Backup & Replication Community Editionを試してみて、UIとしてドキュメントをあまり見なくても、デフォルトの設定で直観的に設定することができました。細かなチューニングをしたい場合には、オプションを操作する必要があり、ドキュメントをよく見る必要がありそうでした。
バックアップ方法やリストア方法にも種類があり、いろいろ今後試してみてみようかと思います。